2005年10月24日

ショーキズイセンにトラロープは似合うか

 島にいると驚かされることが多々ある。ダルマ山の旧米軍滑走路跡の道を車
を走らせていた時、右側の木立の下が、黄色いじゅうたんを敷き詰めたように
なっていた。車を止めて近寄ってみると、ヒガンバナのようだ。久米島のヒガ
ンバナは、黄色なのかと驚いた。あとで聞くと、それがショーキズイセンで
あった。毎年、10月の盛りの時期を心待ちにし、このみごとな風景を写真に
撮ったり絵に描いたりして楽しんでいた。
 今年は、また驚かされた。道と群落との間に一本のロープが張られていたの
だ。無断伐採・採取を禁止するという内容の強い口調で書かれた看板も何カ所
かに立てられ、景色を分断していた。今年は、よほどひどく踏み荒らされたの
か、それともひどい盗伐があったのだろうか。
 ここのショーキズイセンは、自然発生したものではなく、人工的に植栽され
たものと聞く。しかし、それがヒカンサクラの木々の間に、勝手に広がって咲
いているようで、まるで自生したように見える、それがいいと思っていた。人
界と植物界が一体化しているようで、とても自然に思われた。
 ロープで切り分けられた風景は無粋で、どうも写真にならない。いい写真を
撮ろうとしたら、どうしてもロープ内に入りたくなる。そんな時のロープの意
味はなんなのだろう。念のため、予防のためだとしたら、「人を見たら泥棒と
思え」と言われているようで、とても寂しい。昨年までも時々、写真を撮る人
が、群落の中に入っているのを見かけたことがあるが、咲いている花やこれか
ら出ようとしている芽を踏まないように、注意深く動いていたように思う。花
の1本や2本踏まれてもまた生えてくるさ、1本2本盗まれても、また植え
りゃあいいさという言い方をすると、大抵、「みんながそう思ってそうした
ら、絶滅してしまう。だから多くの人が楽しめるように、一定のルールを作る
のだ」という人が出てくる。それは、間違ってはいないと思う。たぶん、正し
い意見でしょう。
 マ、いいか。久米島の人たちは大陸的で鷹揚な性格の人が多いから、ロープ
ぐらい張っても張らんでもどちらでもいいと言うことでしょう。
 私は、ショーキズイセンとトラロープを見ながら、長田弘さんの詩の一行を
思い出した。
 <ひとのいちばん大事なものは正しさではない>

20051024-2.jpg
posted by Mr.G at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | よもやま話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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